男性不妊の原因は1位は「精巣で精子を作る機能が低下」
厚生労働省の研究班の調査(2015年)によると男性不妊の原因は
「精巣で精子を作る機能が低下」が82.4%、次いで「勃起や射精などができない」が
13.5%でした(表1)。
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精巣で精子を作る力が低下 |
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82.4% |
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30.2% |
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染色体・遺伝子異常など |
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10.1% |
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原因不明 |
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42.1% |
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勃起や射精などができない |
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13.5% |
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勃起不全 |
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6.1% |
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射精障害 |
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7.4% |
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精子の通り道が詰まっている |
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3.9% |
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閉塞性無精子症 |
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3.9% |
治療可能な性機能障害
この中で勃起や射精に問題がある性機能障害はカウンセリングと投薬にて治療可能であり、高度生殖補助医療を回避できるケースも少なくありません。これらを治療することにより、患者とそのパートナーにかかる肉体・精神・経済的負担を軽減することができるだけでなく、不妊治療の時期を経た将来における幸せなセックスライフを送るきっかけにもなりえます。
また、不妊治療が契機となり自分自身の、またはパートナーの性機能障害初めて向き合うことになるケースも多く、お互いの心中を理解しあい、気持ちを整理するように手助けする、セックスカウンセリングは非常に重要であると考えられます。
パートナーである女性の協力が必要不可欠
不妊治療における男性性機能障害の治療にパートナーである女性の協力が必要不可欠です。カウンセリング時には同席してもらうことでお互いの疾患への理解を深めることが可能となり、治療への手助けとなります。また、男性不妊症患者やパートナーの年齢や希望を考慮し、治療のゴールを決定する必要があります。
いったん不妊治療を開始された後には、セックスカウンセリングより不妊治療が優先されがちですが、不妊治療が成功した後にも性機能障害の治療を希望されるケースも
あるため、患者のニーズに合わせた治療が必要となります。