Do Repro! 男性不妊応援ブログ

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おじさんになってからの子供にはリスクはありますか? 後編

前回にひきつづきヨミドクターから、後半です。

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父親の年齢が高くなると悪いことしかないのでしょうか?答えはNOです。良いこともあります。それは、テロメアの話です。テロメアというのは、染色体末端に存在するDNAの繰り返し配列で、細胞分裂の時に遺伝子が壊れないように保護する働きが知られています。

実は、このテロメアは細胞が分裂するたびにだんだん短くなってきます。そして、テロメアが短くなりすぎてしまった細胞は、それ以上分裂できなくなってしまうのです。

つまり、その細胞は「老化」した、ということになります。

テロメアは細胞が分裂するに従い、年齢とともに短くなっていきますテロメアが短い人の方が寿命も短いという報告もあるのです。つまり、テロメアは「細胞分裂の回数券みたいなもの」と考えられています。

しかし、テロメアーゼという酵素の働きにより、なんととしをとるに従い精子のもと・精祖細胞のテロメアは長くなっていくということがわかっています。これを読み解くと、「歳をとった父親から生まれた子供は長生きする可能性がある」ということなのです。

歳をとった男性の精子が人間を長生きさせるきっかけになる、若者ばかりの精子を用いると将来人間は短命になる、と説明している科学者もいます。ただし、長期間、生まれた子どもの経過を追えている信頼できるデータはまだありません。

 父親の加齢による悪影響(病気のリスク増加)と好影響(テロメアの延長)、それぞれどのような利益を将来の人類にもたらすことができるのか? また、テロメアの延長は、人間の進化のきっかけとなりうるのか? これらの研究は現在進行形で進んでいます。

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