乏精子症とは?
乏精子症とは,精液検査を行い,精子濃度(精液1mlあたりの精子数)が1500万/ml以下の状態をいいます.精子濃度と精液量をかけ算すると総精子数が算出されますが,総精子数では3900万以上が基準とされます.
この基準は世界保健機関(WHO)が定めた値であり,避妊をやめた後12か月以内にパートナーが妊娠に至った男性の値をもとにしてつくられたものです.
決してこの値を下回るからといって生殖能がないわけではありませんし,逆に,この値を越えているからといって生殖能が保証されているわけではありません.
ただし,繰り返しになりますが,精液検査の結果は体調などによって変動します.
1回の検査で乏精子症であったとしても,後日,再度精液検査をすると正常であったということもしばしばあります.正確な診断のためには複数回の精液検査が望まれます.
乏精子症の原因は?
乏精子症には様々な原因があります.精索静脈瘤が原因の場合は治療することによって改善が期待できます.まれではありますが,乏精子症の原因を調べていく中で精巣の腫瘍(がん)などが見つかる場合もあります.
原因不明の場合も多々あり,このような場合は治療が困難なことも多いですが,薬によって改善する方もいます.また,特に精子濃度が500万/mlを下回るような高度乏精子症では遺伝的な原因がある可能性が高くなります.